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日記風に書いてますが、まあ、99%がフィクションですから。
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カテゴリ:金津ならどうする★コラム( 11 )
人生で初めて、サプライズで泣いた。
友人たちに、結婚の祝賀パーティをしてもらった。

披露宴をしなかった僕たち夫婦のために、ひらりの坂本充広くんや山像かおりさんらが発起人となって企画してくれた会。
気が置けない仲間たちの前で、あらてめて夫婦となった幸せを実感した。

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パーティのクライマックスは、新婦へのサプライズ。
特にこれといったプロポーズがなかった僕が、奥さんにもう一度きちんとした言葉を贈るというもの。
「泣かせる」展開を望まれていたので、作家の端くれとして必死になって構成を考えた。

インタビューにてプロポーズの言葉を聞かれて戸惑い、
もう一度ここで行おうと提案されるも、
緊張で言葉が出てない。
では先ず体を動かそうとの声がかかり、僕が劇団時代よく行った準備運動を行う。
すると、フラッシュモブ的に、奥さん以外の参加者全員が一斉に加わって踊り、
さらに、ダンス終わりで皆が花を一輪ずつ僕に集めてくれて、
その花束をもって、彼女にプロポーズ!

すべてが計算通りに進んだ。……はずだった。
台無しにしたのは僕。
切れ良く踊ったつもりが、ぷっくりしたお腹が途中でワイシャツからこぼれていたらしく、それを目撃してしまった奥さんは笑いを堪えるのに必死。
加えて、特に言葉を用意せず、その時の衝動で思いを伝えようと思っていた僕は、その激しい運動で頭が真っ白。しどろもどろで意味不明の言葉を発してしまった。

会場中が「?」。奥さんは、いたわりの瞳を向けて、ただただ頷いていた。
涙なんて程遠い、プロポーズ。
全く、台本は完璧だったのに……。

演者として最低な自分に腹をたてていると、そこで、思いもかけないことが起きた。
おもむろに、奥さんが僕に向けて書いてきたといって手紙を取り出す。
そして自ら、それを朗読しはじめるじゃありませんか!


愛情あふるる手紙。
今までの人生でもらった中で唯一無二、最高のラブレター。

不意をつかれたのもあって、僕の涙腺のパッキンは崩壊状態。
我慢できず、ただひたすらに号泣。

実は、これが本当のサプライズだった。
ターゲットは奥さんではなく、僕だったのだ。
完全にやられた。僕は全く気がついていなかった。

あとから思えば、おかしいところはあった。
前日の夜、奥さんが
「今日は先に寝てて。私、明日のドレスのために、ワキ毛を処理しなくちゃいけないから」
と、言い出した。
「手伝うよ」
と言っても、「抜くところを見られたくないの。おやすみ」
と取り合わない。
そういうものかな、と、先に寝かせてもらったのだが、深夜、物音に気がついて目覚めたら、まだ襖の向こうで奥さんが明かりをつけて起きていた。

「どんだけワキ毛ボーボーなんだよっ」
と心のなかで突っ込んで、またすぐ寝てしまったのだが、実は、あの時にずっと、手紙を練っていたのだ。

一晩かけた彼女の言葉は、見事、心に命中。
僕はもとより、発起人はじめ会場に集まった人々の涙腺をも刺激していた。

甚だ脱帽。妻に、してやられた。
でも、それもそのはずなんです。
彼女は、素晴らしい奥さんであると同時に、
僕が今でも劇作家としても惚れてる最高の演者さんでもあるのだから。
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by t-kanatsu | 2013-09-18 20:00 | 金津ならどうする★コラム
オススメの温泉スパ施設ってある?
 夫婦共通の趣味は、温泉スパ施設に行くこと。

 都内では、大江戸温泉物語にはじまり、ラクーア、豊島園庭の湯。僕が神奈川に住んでいたので、えのすぱ、万葉の湯、さらに箱根ユネッサンにも、二人で何度となく通った。

 露天風呂や大浴場が素晴らしいは当然として、大事なのはプラスアルファの要素。例えば、水着で入れるお風呂や足湯など、カップルで行っても一緒に楽しめるゾーンがあると嬉しさ倍増なんですよね。

 上記の施設は、そこらへんがよく考えられていて。食事処も充実してるし、マッサージや休憩室等もあって、一日中いても楽しめる。まさに温泉テーマパーク。髪を切るのもわざわざラクーア内の床屋にしてたくらい、一時期はよく通ったなあ。

 ただ問題は、入場料がお高いこと。たまのデートならいいが、週1~2回通うとなると、結構、負担がでかい。

 なので、近頃は、似たような感じでお得感のある温泉施設探しが日課になった。
 遠出をするたび、近くの銭湯やスパを探して立ち寄ってくる。洒落た居酒屋もいいけど、温泉施設の食事処で飲むビールは格別だよね、って価値観の二人には、それが最高のデートコースになった。

 そうこうして見つけたお気に入りの一つが、「季乃彩(ときのいろどり)」という温泉施設。府中のビール工場見学の帰りにたまたま見つけた、南多摩にある穴場スポット。
 平日700円で入場でき、さらに500円で「四季の石癒(いやし)」という四種類の岩盤浴が楽しめるというコスパの良さに惚れた。ここ、かなりおすすめなんで、ご興味ある方はぜひ一度。


 結婚して、千葉に引っ越してきてからしばらくは、温泉施設に行くこと自体から足が遠のいていた。
 が、先日、近所を探索していて隣市に、興味深い場所を発見。
 調べると、かなり僕らのお好みな感じ。お風呂も充実していて(源泉かけ流しがある!)、二人で楽しめるゾーン(岩盤浴!)もある。

 百聞は一見に如かずと出向いてみると、果たして、これが新たなお気に入りスポットになるほど、素晴らしかったんです。

 入場料は会員で950円するが、プラス400円で入れるザルツゾーン(もちろんそこはカップルで楽しめる)という岩盤浴とフィンランドサウナのスペースが、もう最高。

 特に、2時間おきに行われる「ロウリュウ」のサービスが気持ちいいのなんのって。

 サウナ内の熱い石にアロマ水をかけて蒸発したその熱気を、係員がタオルであおいで我々にそそいでくれる。時にユーカリだったり、ベルガモットだったり……。そのアロマの粒子が体の内部に入り込んで、内側からジワジワと老廃物を押し出してくれるんです。
 汗をかく気持よさに加えて、精神的な癒やしややる気をも呼び起こしてくれる感じ。五感のリラクゼーションって言うんですか。身も心もメロメロになっちゃう快感。
 
 夫婦そろって感動した僕らは、その日だけで三回、「ロウリュウ」を受けて帰りました。
 場所? 知りたいですか? じゃあ、あなたの知ってるおすすめ温泉スパ施設も教えてくださいね。
 
 「グランローザ 潮の湯」ってとこです。

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by t-kanatsu | 2013-09-11 20:00 | 金津ならどうする★コラム
「ツボ」を押されたっ!
 肩こりとは無縁の人間だった。

 ちょうど1年前までは……。
 今から思うと、自分は「肩こり」というものを知らなかったんだと思う。よく言うじゃないですか。アメリカ人は、「肩こり」という言葉自体がないから肩がこらないって。
 「肩こり」って、おそらく数字の「0」とか、ドーナツの「穴」に近いものなんだと思う。つまり、知らなければ存在しなかったもの。意識してしまった瞬間から存在するもの。嗚呼。

 意識しだしたのは、昨年関わっていたドラマの撮影中、衣装担当の方がふと僕の肩に触れ、

「金津さん、めちゃめちゃ肩が凝ってますよね。今までいろんな人、マッサージしてきたけど、これほどカチカチなのは珍しいかも」

 と言われてから。
 全く、意識していなかった自分は「は?」となった。

「体調、おかしくなりませんか?」

 おかしくなるも何も、今まで、これが普通だと思っていたし、別に痛くないし、辛くないし、これまで肩を揉んでもらいたと思ったことすらないんですけど……。

「ここ。ここです。ここに何かいます。コリッコリの奴が」
「気持ちいい……あ、い、痛っ……いや、きもひいぃぃぃ」

 以来、マッサージされる気持良さを求める体になった。一瞬にして、「開発」されちゃったわけです。
 しかし、自分も変なプライドがある。急には「てもみん」とか、人によるマッサージをうけるほど「凝ってる」とは認めたくない。なので先ずは、温泉施設や家電量販店で、マシンにほぐされる快感を味わってみた。

 すぐさま、病みつきになった。
 打ち合わせの合間、ノマドで台本執筆中、仕事の帰り際、ふと家電量販店を見つけるたび、マシンマッサージに立ち寄った。フジ医療器とパナソニック、マッサージマシンの二大勢力の最新機種に乗りまくった。有楽町ビックカメラの店員さんとは顔見知りになってしまった。

「欲しいなあ、マッサージマシン」

 ついに本音が口から飛び出す。
 とはいえ、高額商品。しかも今は家族がいる身。そう簡単に買えるシロモノじゃない。
仕方なく、いろいろ家電量販店を転々としながら、マシンの15分間を楽しむという生活を送っていた。

「ちょっと、無料マッサージ受けてかない?」

奥さんとのデート中も、頻繁に出るこの台詞。
最初のうちは楽しんで付き合ってくれていたが、だんだん「恥ずかしいよ、この前行ったばかりだし」と拒むように。
思うようにマッサージを受けれず悶々としていたある日、家にAmazonさんから素敵な物が届いていた。

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 その名は「ルルド」。
 
 今、マッサージ界を席巻している優れもののクッション。実はこれも気になっていたんです。これなら仕事部屋にも持ち込めるかもって。お、奥さん、あんたって人は……。

「今はこれで我慢ね。これでたくさん執筆して、たくさん貯金ができたらマシンを買おう」

 優しい言葉が、僕の心にピンポイントに突き刺さる。

「うん。頑張るよ!」

 今は、朝の起床時と夜の入浴後に、これを使用するのが至福の時間だ。
 肩こりを知って、得た、幸せのツボ。
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by t-kanatsu | 2013-08-28 20:00 | 金津ならどうする★コラム
思い出せない幼少期
 お盆休み。実家に戻って、小さい頃の写真の整理をしてきた。

 あんまり過去を振り返らない性格なのと、もともと写真に興味のないのが相まって、思春期以降の写真はほとんどない自分。
 奥さんもそういうタイプだったようで、二人のツーショット写真がディズニーランドに行った1枚しか存在しないという……どちらかが記憶をなくしたら何も証明できるものがない。

 残ってる写真は主に、親がアルバムにしてくれいた幼少期のもの。おそらく、それを僕は初めて見た。(昔に見せてもらってたかもしれないが、覚えてない)

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 しかし、見ても何も思い出せない。
 
「本当にこれが自分なんだろうか?」

 自分の面影が全くその小さな自分から感じられない。
 公園で遊んでる写真を見て、

「この一緒に遊んでる女の子は誰?」
「やだ、妹でしょ」

って、会話になった時は、自分の記憶力の無さ加減に呆れ返ってしまった。

 幼稚園入学式、小学校入学式、運動会、ボーイスカウトらしき活動、なんかの親戚の集まりの写真、当時住んでいた大阪、堺の家の前で撮ったと思われるもの……何を見ても記憶が蘇ってくる気配すらない。

 ほんとに誰か他人の過去を見せられてる気分なのだ。でも、隣に写っているのは、若き両親の姿。自分の存在だけがつながってこない。
 ふと、そんな設定で物語が一つ浮かんだがそれはまた別の機会に。
 

 はっと記憶が繋がりだしたのは、小学校高学年らしき時に撮った一枚を見て。
 それは、女装して、ゴロピカドンのポシェットを肩から下げている写真。
 当時、うっすら恋心を抱いていたちなみちゃんと、着ていた洋服を交換して遊んでた時のものだ。(なんたる高度な遊び!)

 そんな仲良しでありながら、「好きだ」という一言が言えないでジリジリしていた自分。初めての恋に戸惑っていた、甘酸っぱい記憶。

 その一点から、芋づる式にいろんなことを思い出していく。

 彼女の気を引きたい→お楽しみ会やクリスマス会でコントを実践→お笑いに目覚める→笑いのセンスに溢れるM君やS君に出会う→自分でやるより彼らにやってもらったほうが面白いと悟る→自分は裏側に回ってネタを書き出す→作家の楽しさを知る……。

 小学5~6年生の時の出来事。

 この出来事が現在につながって、今や、真打ちの落語家師匠にホンを書いて語ってもらってるという(柳家さん生『わらいぐま現わる~金津泰輔作品集』、ただ今絶賛公演中)。
 人の人生って何がきっかけになるか分からないもんですね。あの時、ちなみちゃんに恋していなければ……。

 結局彼女には何も思いを告げられずに、父の転勤で僕が鎌倉に引っ越してきてしまった。
 引っ越し当日、偶然地元の駅でちなみちゃんと遭遇した。(今思うと、偶然じゃなかったかもしれない)
 その最後の時も、照れくさかったのか、気持ちと裏腹に「ほな、また」と格好つけて、つっけんどんな捨て台詞を残して、別れてしまった。

 
 そんなこんなを思い出してたら、あっという間に1時間経っていた。
 つかの間のタイムトラベル。
 ノスタルジーまんさいの里帰りとなった。
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by t-kanatsu | 2013-08-15 10:46 | 金津ならどうする★コラム
春風亭ぴっかり☆さんが魅せてくれる二つの顔。
 間近に迫った『ぴっかり☆十番勝負!』の稽古に立ち会った。
 
 自分が紙の上に書いた台詞が、春風亭ぴっかり☆さんの手によって、果たしてどんな風になっているのか。

 特に今、ぴっかり☆さんは、師匠のお供や日々の落語会・寄席にと、非常に多忙な様子で、台本を渡して直し作業をやって以来、久しぶりの再会。その間、隙間時間に一人稽古したり、常連さんのいる落語会で試演したりして創りあげたという。

 見るからに目が真っ赤だし、歩いててもフラフラで、引いてる大きなガラガラに小さな体が持ってかれそうになるほど、憔悴しきっていた。

 あんまり期待しないほうがいいかも……?
 
 一抹の不安がよぎったが、その心配は杞憂に。
 長椅子を並べただけの高座ではあったが、その座布団の上に座るやいなや、ガラリと目の色が変わるじゃありませんか。

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 新作一つ目は、とある女優さんの一生をベースにした地語り噺。
 途中、ぴっかり☆さん自身のエピソードを交えて語るのだが、より具体的に付け足されたりしてて、さらに面白くなってて嬉しかった。

 圧巻なのはラスト。
 取り憑いた表情のようになって、「語る」というよりもはや「演じる」いやその人物に「なりきってる」瞬間が垣間見えて、度肝抜かれた。

 その役だけを演じてるなら分かるんだけど、ト書きの部分も喋って、相手役も演じて、その上で、一瞬にして、一つの人物にグワッと入り込むってあなたっ!

「自分でも、このラストは、コントロールが効かなくなる時があって、やってても怖いんですよね」

 将来、女優さんの仕事もされるかもしれない……。そう思った。


 もう一つは、往年のアイドルのとある事件? にまつわるバラエティ色豊かな噺。
 歌ありモノマネありの、落語の範疇を超えたものを目指していたのだけれど、師匠である春風亭小朝師のアドバイスを受けて、さらに型破りなものに仕上がっていた。

 それは、一種、R1などの一人コントで見られる趣向。(詳しくは観てのお楽しみっ)

 師匠のそのやわらかな発想にも驚いたけど、稽古を拝見して、これが思わぬ効果があると知って感嘆した。

 それは、リアクション。
 一人で全役をやる落語ではなかなか見れない、一方が語ってる間の、それを聞いてる表情や仕草を堪能できるんです。
 そして、サービス精神旺盛なぴっかり☆さんが、これまた面白おかしい「受け」の表情を連発するんだ。

 将来、バラエティの仕事もされるかもしれない……。そう思った。


 稽古後のぴっかり☆さんは、不思議にも、稽古前よりも元気になっていた。プロデューサーさんが用意したおやつ? の餃子を二人前ぺろりと平らげ、次の現場にまたガラガラを引いて颯爽と去っていった。

 「女優」ぴっかり☆さんと、「タレント」ぴっかり☆さん。
 この二つの魅力を、新作落語パートで引き出せたら、作家としてもこれ幸い。
 もちろん、本業「落語家」の部分は、古典パートでしっかり魅せてくれるはず。

 落語ファンに限らず、多くの人に知ってもらいたい若手女流噺家さん。
今、一番応援したい人です。
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by t-kanatsu | 2013-08-07 20:00 | 金津ならどうする★コラム
奥さんを喜ばす簡単おかずレシピ
時間がある時は、晩御飯は夫婦二人で作って食べるようにしている。
メインの一品を奥さん。サブの小鉢一品を僕が担当するのだ。

料理なんてほとんど出来ないけれど、やっぱりそこはクリエイターの端くれ。作るからには、奥さんをあっと驚かせるような、それでいて美味しいものを提供したい。

一回目から、絶対エースをぶつけた。
金津家直伝、大好物の一品。出来合いのもので済ましていた一人暮らしの時も、これだけは自作していた「にんじんの明太子和え」。

にんじんを千切りにして、しんなりするまで炒める。
明太子は、袋? をとって、お酒と混ぜてペースト状に。
頃合いを見て、にんじんと明太子をフライパン上で和える。以上。

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簡単おつまみレシピだが、これが白めしに最高なんだ。

「え~知らなかった。美味しいね」

奥さんの一言が、僕の料理魂に火を付けた。
次の機会には、「糸こんにゃくの明太子和え」を披露。
作り方はほとんど一緒。にんじんを糸こんにゃくに変えるだけ。
でも、食感が変わると、これまた別の美味しさになる。

「美味しい、美味しい。すごいね」

気を良くした自分は、次の機会に「もやしの明太子和え」。
さらに次の時は、「切り干し大根の明太子和え」にチャレンジした。

「えのきの明太子和え」を作ろうとした時、奥さんから声がかかった。
「ねえ、たまには明太子から離れてみたらどうかしら?」

「え?」
「最近、明太子ばっかり食べてるから、塩分が気になるでしょ? どっちかというと、私はたらこの方が好きだし……」

たらこの味気ないしょっぱさじゃ、おかずにならないんだけどなっ。
思わず口に出しそうになった言葉をぐっと飲み込む。
自分にとって明太子は、最後の晩餐で出して貰いたいほどの好物。稚加榮の明太子は「神」だと思ってる。

でも確かに、一つのものにこだわると、なかなか他に目を向けられないのが自分の悪い癖。
これから長く続いてく夫婦生活。もっと器を大きく、相手の意見を聞く余裕をもってないと。

「OK。OK。明太子は当分、おあずけだ」

強がってみたものの、かわりとなるレパートリーがとっさには出てこない。

「じゃあ……今日はシンプルに冷奴にしよっか?」

動揺を悟られないように、妥協案を提示する。

「でも、ただの冷奴じゃないぞ。金津流はね、めんつゆをかけて食べるんだ」

そう。
「にんじんの明太子和え」が絶対エースなら、こちらは抑えの切り札。
夏場、食欲が無い時、どれほどこの「めんつゆ de 冷奴」に助けられてきたか。
なにも思い浮かばない時も、これさえあれば間違いない一品なので、皆さんもどうぞお試しあれ。

「え~知らなかった。すごい美味しい。この冷奴なら、毎日食べたいかも」

なんと、奥さんの評価も最高級。
ほとんど調理してないけど、小鉢としてはこれでじゅうぶんでしょ?

以来ずっとこの「めんつゆ de 冷奴」が続いている。
ただ、あまりにも同じなので、次作る時はせめて、豆腐の上にのせるものを生姜&ねぎから、明太子に変えてみようかなと思う今日このごろです。
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by t-kanatsu | 2013-07-31 20:00 | 金津ならどうする★コラム
わらいぐま現わる
 ここのところ、柳家さん生師匠宅通いが続いている。来月13日から始まる『わらいぐま現わる 2013 special ~金津泰輔作品集~』の稽古のためだ。

 懇意にさせていただいてるこの2年間に、「いくじなし広重」「動く彫刻」「万年ふで」「結婚の挨拶」「パチパチ」と5本の新作落語を書かせていただいた。それらの作品を一挙に披露してしまおうという欲張りな会。
※公演詳細等はこちら
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 自分としては、それぞれの作品にに思い入れがある。

 一番最初に書いた「いくじなし広重」は、そうそうたる作家の候補リストから、ほとんど補欠同然で呼んでもらえた幸運。落語の「ら」の字も知らない素人作家が、芝居で培った経験を総動員して書いた力作だった。

 セオリーとか知らないもんだから、台本に「ここで暗転」とか、「テロップ文字が流れる」とか、平気で書き飛ばしていたのが今見ると微笑ましい。それら演劇的表現や効果も全て、言葉だけで表現しきったさん生師匠にあらためて感服の気持ち。ってか、「無理」って言ってくれてもいいですからねー。

 また「広重」の本番を見てくださった、今は亡きフジテレビ塚越孝アナウンサーが終演後、とっても褒めてくださったのが、僕が今もこうして創作落語に挑戦させていただくモチベーションになっています。もっと見てもらいたかったな。

 「動く彫刻」(当時は『静止を拒否する彫刻』)は、銀座ギャラリーズが主催する「画廊の夜会」のオープニングイベントで師匠が口演するために、書き下ろした作品。

 これまた絵画やアートのことに詳しくない僕に、東京画廊の山本豊津社長自ら、いろんな体験談やエピソードを語ってくださり、それを僕がシュールなコント風にまとめあげた異色作。「落語らしくない」点で、自分の中でもかなりお気に入りの一本になった。

 「万年ふで」「結婚の挨拶」「パチパチ」は、昨年夏の博品館劇場での落語会の際、それぞれ、銀座にある老舗の文具店、和菓子屋、洋食レストランをテーマに書き下ろしたもの。

 ちょうどこの頃、今の奥さんから結婚をなかなか決断しない僕に別れ話が切りだされてて、連日その悩みを抱えながら取材活動していたのが、今となっては懐かしい。3つ並べて聞くと、その当時の自分の思いとか現実とか理想の夫婦像とか、うっすら感じられてちょっと恥ずかしくもあるのです。てへ。

 その後、「パチパチ」は師匠も気に入ってくださり、某神社での奉納落語という格式ある舞台で披露していただいたり、各所で口演されて、今やお得意レパートリーの一つなのが嬉しい限り。この先、こういうのがもっともっと増えて、「古典」になるのが理想です。

 今回、作品集として再び口演するにあたり、全ての演目にもう一度、台本レベルで改善・付け足しを入れさせてもらった。なかなか一度覚えたものを、ましてや既に「自分のもの」となってる噺を変えるのは難儀だと思うが、師匠は「全て、受け入れましょう」とおっしゃってくれた。言ってるだけかもしれないけど。

 本番、どのような進化を遂げているか、以前ご覧になった方もそうでない方も是非、見届けて貰いたいと思います。

 
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by t-kanatsu | 2013-07-24 20:00 | 金津ならどうする★コラム
結婚式
 梅雨明け、高温注意報が出るほどの猛暑・快晴だった七夕の日。僕たち夫婦は結婚式を挙げた。

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 両家ともに、家族・親族のみ合わせて10数名ほどの列席による、ちいさな教会でのこじんまりとした挙式。

 元々、するつもりはなかった。「せめて、区切りとして結婚記念の写真だけでも撮ろう」といろいろ調べているうち、スタジオ撮影とさほど変わらぬ予算で式が挙げられると分かり、空いていた日程の中から飛び込みで決めたのだ。

 ただ、奇しくもその直前一ヶ月、新居への引っ越し作業に加え、奥さんも僕も朗読会やら舞台公演が重なる超ドタバタ状態。 自分達の式の準備に費やす時間はほとんどなく、打ち合わせ数回と30分のリハーサル1回のみで、本番にのぞむ強行軍となった。

「どんな風になろうと、ハッピーな気持ちでいりゃ、失敗もいい思い出になるよね」って、半ば、居直り状態でいたのだが、実際は、式場係員たちの手慣れた、それでいて心のこもった進行のもと、最高の式にしていただいた。

 もちろん、細かいところに突っ込みをいれれば、僕がサスペンダーを付け間違えていたり、持参するはずの白いハンカチを忘れてしまったり、誓いのキスはOKが出るまでやるものだと思って10秒ほどキスし続けて会場をどよめかせてしまったり、奥さんはドレスを着て歩く練習をほとんどしてないので、歩くたびにドレスの裾を巻き込んでつんのめってたりはしたけど、それ以外は完璧だった。

 中でも感動だったのは、牧師さまの説教(スピーチ)。気持ちのこもった説得力のある声で、本当に僕達を導いてくれている気がした。
 
「主はおっしゃっています。お父さん、お母さんを敬いましょう。ねえ? 二人はこれから親を大切にしましょう。あなたたちにこれまで注いできた両親の気持ちを、今度はあなたたちが思い、返してゆく。そうすることで、あなたたちはさらに幸せになれるでしょう」

 どこまでが聖書のくだりで、どこから牧師さんのアドリブかわからないけれど、すごく真っ直ぐな瞳で訴えかけてくるので、僕はずっとうなづきながら聞いていたし、奥さんはもはや祭壇の前で号泣してしまっていた。

「花嫁さんが泣いてしまった時こそ、新郎の出番です。サッと白いハンカチを出して、涙を拭ってあげてください」

 打ち合わせで言われたプランナーの言葉が蘇る。しかし、今、僕のポケットにあるのは、代わりに入れておいたポケットティシューだけ。どうする? それを出してバレやしないか? 一瞬の葛藤が出足を遅らせた。機転を利かせた介添人の方が、とっさに自らの白いハンカチを出して奥さんに渡してくれた。

「お父さんとバージンロードを歩いてる時からやばかったんだけど、牧師さんの話を聞いてる時、二人(父と母)の顔が目に入ったらもう堪えられなくて……」

 式後、彼女のそんな言葉を聞いて、「やっぱり結婚式をやってよかった。ありがとう」と言われたら、ホッとしたのもあったのか今度は僕がツーンときてしまった。

 ごまかすために、さっきのティッシュで鼻をかんだ。
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by t-kanatsu | 2013-07-16 20:00 | 金津ならどうする★コラム
Wii Fit Plus でバランス感覚を養う。
Wii Fit Plusというものをやりはじめた。

人によっては「何を今さら」なものなのだろうが、僕がこの存在を知ったのはつい最近のこと。
奥さんのご実家に泊まりにいった際、朝起きてくると、ご両親と彼女が揃って、テレビの前に集まり、画面の中の自身そっくりのキャラクター(Miiと言うらしい)を使ってエクササイズしてる光景に出くわしたのが最初だ。

淹れたてコーヒーの香りに包まれながらのその一幕は、まるで古き良きアメリカン・ファミリーを見ているかのよう。
家族の仲睦まじい姿に加え、その習慣を毎朝欠かさず4年間も続けているという事実を聞いてびっくりした。なんて健康的なのでしょう。

「結婚生活に、Wii Fit Plusは不可欠だと思うの」

奥さんの提案に、我らが新生活でも導入することと相成った。

毎朝、バランスボードの上に乗って体重を測定し、指示に従ってちょっとしたトレーニングを受ける。所要時間は5分もかからないくらい。
自分のBMI(肥満指数)を常に意識して生活する、その短い時間の積み重ねが、理想の体重に近づく最も最短の方法というわけだ。

僕のBMIはだいたい24くらい。(身長 179cm、体重 77.0kg)
これでも1年前に比べたら相当スリムになったため、ベスト体重なはずと自負していたが、この機械によると、「理想のBMIは22なので70kgまで落とさないとダメ」 なんだそうだ。

なかなかの試練。
でも、これまで続けている奥さんとご両親は、ここ数年、みな揃ってこの理想BMIを下回る数値で推移してるという。ならば自分もぜひ、その仲間に加わりたい!


長く続けていくポイントととして先ず大事なのは、画面に登場する自分の分身のキャラクター(Mii)を愛せるかどうか。
最初のMii作りが成否を分けると言っても過言ではない。

せっかくなので、仲良く、夫婦でお互いの顔を作成しあう。
しかし、操作に慣れている奥さんが僕のことをとっても愛らしく作ってくれたのに対し、初体験の僕は要領が悪く、また変にリアル志向で望んだため、ドツボにはまってしまった。

「私、可愛くないね……知ってたけど」

いじればいじるほど、奥さんの機嫌が悪くなる。
かと言って、適当にごまかして、パチパチお目目の可愛い子ちゃんを作るのは、僕のクリエイター魂が許さない。

「女心」と「当人らしいキャラ」のバランスを見極めることが大事。
しかしそれが分かった所で、表現する技術が僕にあるのか?
まさか、結婚生活の「け」の字も始まってない、こんなところでつまづくとは……。

かすかに記憶にあった「ご実家バージョンの彼女」を必死に思い出しながら、試行錯誤を重ねる。

「私の目、小さくない? ……知ってたけど」

ダメ出しをされるたび、

「僕は、こういう小さい瞳の子が大好きなんだ。小さくなくちゃ駄目なんだっ」

と力説してご機嫌を伺いながら、3時間かかってどうにかこうにか、彼女も納得するMiiを作り上げた。


次の日、僕の体重は、2㌔減少していた。


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by t-kanatsu | 2013-07-02 20:00 | 金津ならどうする★コラム
劇団すごろく座長、緒方賢一。
緒方賢一さんが劇団すごろくを退団された。

もちろん、本業の声優を辞められるわけではないし、今後は「緒方賢一とシャレダース」というチームを結成して、後進の応援活動に精を出すとおっしゃっているので、業界からの引退ではない。

でも、やっぱりその報せを初めて聞いた時はとてもショックで、「どうしてですかっ!」と無作法な言葉を投げつけてしまった。ご本人の様々な事情や決意をつゆ知らず。ましてや副座長の松本保典さんはじめ劇団員や昔からのスタッフ等、僕なんかよりもっとご縁の深い方がいらっしゃるというのに。

実はなんとなく、緒方さん自らが企画・台本・演出された前回公演で一つ区切りをつけられたようなことを、感じてはいた。
今回の6月公演に関する話し合いの中でも、企画当初から、松本さんに「緒方の出演は声のみで」と言われていたので、意識はしていた。

だから、僕は少しでもそれに抗いたくて、退団を少しでも先延ばしにしたくて、「声だけの出演」にしては莫大な量の台詞を書き、「これなら(収録するより)出ちゃったほうが早いよ」とご本人の翻意を促すような、姑息な仕掛けをしたんです。でも、それは結局叶わなかった……。

僕のイメージを的確に捉えるニュアンス、キャラクターに加え、さらなるシャレの利いたアドリブ台詞を、完璧に録音に残して、颯爽と去っていってしまった。


5月の最初の頃、劇団の内々で「送別会」が開かれた。その時の様子を僕は一度、ブログに書いた。しかし、劇団員の誰もがそのことをブログやツイッター等で触れないことを知り、なんとなくそれを6月公演の宣伝に利用したくないという、一同の思いが感じられて、アップするのを自粛した。

今回もためらったんだけど、既に千秋楽で公に発表されたことだし、先輩演劇人から受け取った熱い思いをどうしても今、記しておきたくなってしまったのです。

緒方さんは、すごろくを退団されてもなお、誰よりも、今回の公演を心配し、愛し、厳しく見ていた。

初日乾杯の席。浮かれて僕が「すずり爺(役名)の存在感、声だけなのにすごかったです」と言っても、一瞬にっこりと微笑んだだけで、後は、自分の声のバランスや音量、関わる役者たちのリアクション、芝居全体の作り、について改善点と、叱咤激励を皆に飛ばしていた。

そして時間の許す限り劇場に来られ、演じる皆のことを見守っていた。こっそり客席からご覧になってる姿もお見受けした。

「僕が、最後に出て行って挨拶することで、この芝居をしんみり終わらせたくない」
と、千秋楽での退団発表の挨拶を直前にとりやめられたのも、ご自身のことよりまず、すごろくの、今回の、舞台の出来のことを、最後まで考えられていた故の決断だった。

「金津さんの今回の話はちょっと難しすぎるな。すごろくはもっと分かりやすくて、ハッピーで、馬鹿馬鹿しくなくっちゃ」

先輩、わかりました。それは大きな宿題とさせて下さい。
緒方賢一すごろく復活特別公演の時まで、ぜったいにもっと力をつけて、馬鹿馬鹿しくって笑えて泣ける台詞を、あなたに書けるようになりますんで!

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※写真は初日乾杯の席。松本さんに熱く語る緒方さん。
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by t-kanatsu | 2013-06-25 20:00 | 金津ならどうする★コラム


by かなつん
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プロフィール
金津泰輔
 早稲田大学在学中より、劇団てあとろ50にて脚本・演出を担当。卒業と同時に自らが主宰する劇団つ組を立ち上げ、小劇場にて活動。また劇作家として別に、ひらり空中分解。や劇団湘南アクターズ、劇団すごろく等、外部にも新作台本を書き下ろしている。最近は、柳家さん生師匠をはじめとした創作落語の執筆に携わっている。

【主な舞台作品】
『接待ベースボール』
『本日休廷』
『コックは踊る!』
『ブログ~僕はマンションの管理人です。』
『幸せのアルデンテ』
『は・ち・み・つ』
『シバラク!』
『愛しゃれ指南!!!』

【さらに詳しく20の質問 (2013年4月版)】
1「初めて脚本を書いたのは?」
―小学4年生のお楽しみ会。
2「その時のタイトル」
―コント『トマトケチャップ殺人事件』。
3「どうして劇作家の道を選んだのか」
―自分は役者に挫折したけど、役者を志す人達と一緒にいたかったから。
4「尊敬する劇作家は?」
―椿一さん(「笑の大学」に出てくる)
5「今までのベスト作品」
―まだない。
6「子供の頃になりたかった職業」
―建築家、将棋棋士。
7「兄弟はいますか?」
―妹が一人。
8「面白かったアルバイト」
―サーカスの裏方。
9「大好きな映画3つ」
―『トイ・ストーリー』 『ガタカ』 『月に囚われた男』
10「好きな女性のタイプ」
―励まし上手。
11「好きなせリフ」
―「お前は最高だよッ」
12「気分転換の方法を教えてください」
―般若心経のリズムが好きでよく暗唱してます。変かな?
13「最後の晩餐、食べたい食べ物」
―炊きたてご飯を稚加榮(ちかえ)の明太子で。
14「地球滅亡、最後の日。何して過ごす?」
―出来れば大切な人と笑いながら。
15「今まで大変だった舞台」
―初日に台本をあげた舞台。
16「最近ハマってること」
―クロワッサン食べ比べ、羽生三冠棋譜鑑賞、グーグルマップ一人旅
17「カラオケ18番は?」
―♪オーマイリルガール~
18「ディズニーシーでのおすすめスポットは?」
―ニューヨーク・デリでルーベン・ホットサンドを食べる。
19「あなたのモバイル環境は?」
―バイオノートとNexus7。
20「今年の抱負を聞かせてください?」
―ジャンルに拘らずに仕事する。